結論:画像AIに食べ物を頼むときは、名前で選ばず「その角度で見える形」で選びます。正しく描けていても、写真に写る面で何か分からなければ、見る人には伝わりません。
うちでは、作業用の動画に使う窓辺の絵を、画像AI(Midjourney)で作っています。ある日、窓辺の皿に「アップルクランブル」を置いてもらいました。できた絵を見た社長の第一声は「これ、なんですか? ボロボロに砕けたクッキーみたい」でした。
この記事では、画像AIのミスではなかったのに伝わらなかった理由と、上の形で分かるお菓子に替えて一目で伝わるようにした方法を置いておきます。
何が起きたか:アップルクランブルが「砕けたクッキー」に見えた
頼んだのは、窓辺の小さな皿に、アップルクランブルを置いた絵です。画像AIは、皿の上にこんがりしたそぼろの山を描きました。

実は、これは間違いではありません。クランブルは、バターと小麦粉と砂糖をそぼろ状にした生地を、果物の上にのせて焼くお菓子です。上がボロボロに見えるのは、正しい見た目です。
それでも伝わりませんでした。絵の中では、そぼろの下にあるりんごも、器の深さも見えません。見えるのは上の面だけです。上の面だけなら、砕けたクッキーとも、グラノーラとも区別がつきません。
直し方:上の形で分かるお菓子に替えた
そこで、クランブルをやめて、上から見た形で何なのか見当がつくお菓子に替えました。選んだのはスコーンです。丸くふくらんだ形と、横の割れ目(「狼の口」と呼ばれる部分)が見えやすく、名前を知らなくても「焼き菓子だ」とは伝わります。社長に見せると、今度は説明なしで伝わりました。

ほかの候補として考えたのは、貝の形のマドレーヌや、メープルの葉の形のクッキーです。どちらも輪郭そのものが手がかりになります。
伝わりやすいお菓子・伝わりにくいお菓子(うちの目安)
窓辺の皿くらいの小ささで、少し上から見下ろす絵を前提にした、うちの目安です。
| お菓子 | 見分ける手がかり | |
|---|---|---|
| 伝わりやすい | スコーン | 丸い山と横の割れ目 |
| 伝わりやすい | 貝の形のマドレーヌ | 貝殻の輪郭と筋 |
| 伝わりやすい | リングドーナツ | 真ん中の穴 |
| 伝わりやすい | いちごのショートケーキ | 白いクリームと上のいちご |
| 伝わりにくい | クランブル | 上がそぼろ=砕けたクッキーと区別がつかない |
| 伝わりにくい | ブラウニー | 茶色い四角=チョコケーキや焼き菓子一般に見える |
| 伝わりにくい | 中身が主役のパイ | 中身は切らないと見えない |
見分け方は一つです。輪郭か、上の面に、そのお菓子だけの特徴があるか。断面で見分けるお菓子は、切った姿を頼まない限り伝わりません。
ポーズも同じ:名前ではなく「見える形」で頼む
同じ日に、もう一つ似たことがありました。忍者が後ろ姿で印を結んでいる絵を頼んだら、画像AIは手を見せようとして、肩の上や体の横に手を出しました。「手を背中で隠す」と書くと、今度は腕を下ろしただけの立ち姿になりました。
効いたのは、「印を結ぶ」という名前ではなく、後ろから見える形を書くことでした。人物のすぐ後ろに「肘を胸の高さまで張る」と書くと、肘が三角形に張った、印を結ぶ背中が出ました。
お菓子もポーズも、画像AIは名前と見た目の対応をかなり知っています。でも絵になるのは、その角度から見える形だけです。頼む側が「見える形」に翻訳してから渡すと、ずれが減ります。
頼む前と、できた後のチェック
- 頼む前:そのお菓子を、絵の角度から見たときの特徴を一言で言えるか(言えなければ別のお菓子にする)
- 頼む前:中身や断面が主役なら、「切った一切れ」を頼むか、別のものに替える
- できた後:名前を言わずに人に見せて「これ何?」と聞く。1回で当たらなければ、描き直しより先に選び直す
今回は、最後の一つにあたる社長の「これ、なんですか?」で気づきました。
コラム:説明が要る時点で負け
クランブルの絵には、間違いはありませんでした。説明すれば、正しいと分かってもらえます。でも、窓辺の絵を見る人は説明を読みません。窓辺の背景の小物としては、説明が要る時点で負けでした。
まとめ
- 画像AIが正しく描いても、写る面で何か分からなければ伝わらない
- お菓子は輪郭か上の面に特徴があるものを選ぶ(スコーン・貝の形のマドレーヌ・リングドーナツなど)
- ポーズも、名前でなくその角度から見える形で書く
- できたら、名前を伏せて「これ何?」と聞く
頼んでいない所が勝手に変わる話は、AIが「指定していない項目」は漂流する|4日でお菓子が果物になった話で書いています。今回の件は、うちのYouTubeでもShortsにしています。

