ある学びのコミュニティで、こんな投稿を見かけました。「Claudeでブログを25個作った。記事は全自動。自分がやったのはドメインを取っただけ。3か月で合計月25万円になった」。
読んだ瞬間、正直ちょっと焦りました。うちのブログは80本を超えて、収益はまだ0円です。そこでAI部下に聞きました。「これってホントにできるの?」。
先に結論を書きます。工程は全部できます。月25万円のほうは、投稿の中に確かめられる材料がありませんでした。嘘だと言いたいのではありません。「できる部分」と「証明されていない部分」を分けて、割り算を1回しただけです。今日はそのやり方と、10行の道具を置いておきます。
※投稿者が分からないように、数字は丸めています。

できる部分:工程は、うちも毎日やっている
記事を書く、WordPressに入れる、画像を差し込む、内部リンクを張る。ここはAIで回ります。うちでは記事の本文をAIが書き、社長が生成した画像を振り分けて、WordPressの下書きに入れるところまで自動です。人間が押すのは公開ボタンだけです。
なので「全自動でブログを作れる」は、疑うところではありません。疑うのは、その先の数字です。
証明されていない部分:主張と、見えた証拠を並べる
| 主張 | 投稿の中にあった証拠 | 判定 |
|---|---|---|
| 25ブログ・各40〜80記事 | サイト名・URLなし | 確かめられない |
| 安いプランのAIで全自動 | 使用量の画面なし | 確かめられない(1,000〜2,000本は1日8〜16本ペース) |
| 合計で月25万円 | 収益の画面なし | 確かめられない |
| アクセスが伸びている | 検索の数字のカードが1枚(合計約3,300クリック・表示約6万) | 唯一の数字。ここを割る |
証拠は画像1枚だけでした。しかもGoogleサーチコンソールの画面そのものではなく、同じ色づかいで作られたカードです。それでも数字が1つあれば、割り算はできます。
割り算を1回する
カードのグラフの終わりは、1日120クリックほどでした。月にすると約3,600クリック。これが25サイトの合計だとして、月25万円を割ります。
毎回電卓を叩くのは面倒なので、道具にしました。月収・月クリック・記事数・サイト数を入れると、「1件あたり」に直して出します。
# warizan.py — 「月◯万円」の報告を1件あたりに割る
import sys
yen, clicks, posts = (float(x) for x in sys.argv[1:4])
sites = float(sys.argv[4]) if len(sys.argv) > 4 else 1
SOUBA, TANKA = 1.0, 5000.0 # 1訪問あたりの広告収益 / 成約1件の報酬(どちらも甘め)
print("1クリックあたり %.1f 円" % (yen / clicks))
print("1記事あたり %.1f クリック/月 %.0f 円/月" % (clicks / posts, yen / posts))
print("1サイトあたり %.1f クリック/日" % (clicks / sites / 30))
print("アドセンスなら %.0f 円/月 → 主張の %.1f%%" % (clicks * SOUBA, clicks * SOUBA / yen * 100))
print("成約で稼ぐなら %.0f 件/月 → 訪問の %.1f%% が成約" % (yen / TANKA, yen / TANKA / clicks * 100))
使い方は python warizan.py 250000 3600 1500 25 です。記事数は25サイト×60記事で1,500にしました。

1クリックあたり69円になりました。検索から1人来るたびに69円です。
- アドセンスだとすると——アドセンスの収益は「1,000ページビューで数百円」という話をよく見かけます。かなり甘く見て1訪問1円でも、月3,600円。主張の1.4%です
- アフィリエイトだとすると——1件5,000円の案件なら月50件。来た人の1.4%が申し込む計算です。不可能ではありませんが、それなら成約の画面があるはずです
- 1記事あたりで見ると——1記事に月2.4クリック。1記事が月167円を稼ぐ計算になります
合計で見ると「月3,600クリックもあるなら、そのくらい行くのかも」と思えます。1件あたりに割ると、合わない場所が出てきます。
本物の画面には、何が写っているか
比べるために、うちのサーチコンソールの実画面を載せます。9月4日に撮った、直近3か月の数字です。

3か月で9クリックです。恥ずかしい数字ですが、本物の画面にはこういうものが一緒に写ります。
- どのサイトの数字か——左上にサイトのURLが出ます
- いつからいつまでか——「3か月」のボタンと、グラフの下の日付
- いつ集計されたか——右上の「最終更新日」
カードにはこの3つがありませんでした。数字だけのカードは、どんな数字からでも作れます。ここが「確かめられない」の中身です。

聞くなら、この3枚だけ
成功報告を見て気になったら、責めるのではなく、画面を3枚だけお願いします。どれもスクショ1枚で済むものです。
- サイト別のサーチコンソール——URLと期間が写っている画面。合計のカードではなく、1サイト分で十分です
- 収益の画面——アドセンスの管理画面か、ASPの成果画面。どちらで稼いでいるかで、割り算の相場が変わります
- AIの使用量の画面——1日に何本書いたかは、使用量に出ます
もう1つ、自分でやる前に知っておきたいことがあります。新しいドメインでAIの記事を大量に出す形は、Googleのスパムに関するポリシーで「大量生成されたコンテンツの不正使用」として名前が挙がっている型に近いです。うちは1サイトで毎日1本、実話だけを書いてきましたが、74本の時点でアドセンスは「有用性の低いコンテンツ」で一度落ちています。
まとめ|合計ではなく、1件あたりで見る
- 「AIでブログ全自動」の工程はできる。疑うのは工程ではなく数字
- 主張と、投稿の中にある証拠を表に並べると、確かめられるのは数字1つだけだった
- その数字で月25万円を割ると1クリック69円。アドセンスなら主張の1.4%にしかならない
- 本物の管理画面には、サイト・期間・最終更新日が写る。数字だけのカードには写らない
- 気になったら、サイト別の画面・収益の画面・使用量の画面の3枚を頼む
焦りは、割り算を1回したら消えました。うちの3か月9クリックは変わりませんが、比べる相手が「確かめられない数字」ではなくなったので、明日の1本に戻れます。

